お薬を上手に使う方法
抗うつ薬
セロトニンの分泌に作用するSSRIは1998年から日本に導入され、瞬く間に世界を席巻しました。最近は一日一錠で済むタイプまで登場しました。効能はうつ状態・うつ病、不安障害から人格障害にまで及びます。副作用の強いタイプが問題化しましたが、最近のSSRIは使いやすくなっています。多い副作用は「眠気、頭痛、胃部不快」です。主治医と相談しながら使用してください。
非定型抗精神病薬
その出現は精神医療を変え、統合失調症の減少と関連しています。うつ病、躁うつ病、人格障害、不安障害にまで幅広く効くことから、「心の病は一つであり、程度の差にすぎない」とする「一元論」が出てきました。一日一回服用のお薬もあり、治療に大きな変化を生じています。
睡眠剤
寝つきが悪い、途中で目覚める、朝の目覚めが早いなどの不眠のときに使います。眠れない夜の翌日は昼間寝ない努力をしてください。そうすれば、夜には眠れるはずですが、それでも不眠のときには眠剤を用いて良眠を得てください。睡眠剤は2種類以下に規制されています。
抗不安剤
不安なときに短時間で効き、気分を楽にしてくれます。依存性がありますので、医師の指示に基づいて使用してください。抗不安剤も2種類以下に規制されています。
抗アルコール剤
医師の精神療法を受けながら、1年間服薬します。脳の特定の部分に作用して、飲酒欲求を無くしてくれる新薬です。
非定型抗精神病薬の水薬
興奮やイライラに有効ですが、とくに「リストカット」の衝動があるときには一本服用して15分横になってください。いつしか衝動は消えています。
【注意】薬剤ははっきりした治療目標に使われます。医師の指示以外の用い方は「乱用」であり、薬物依存症になる危険性があります。また、大量服薬は決して許されません。誤嚥から死に至ることがあります。次回からの投薬をお断りすることがありますのでご注意ください。